今さらあけましておめでとう

タイトル通りです!!もう一月も終わりですけど!!!

今年もマイペースにいろいろ描いていきたいと思います。年々一枚を描く速度が遅くなってるのを感じて若干へこんでますがやっぱり絵を描くのが好きなので描いていきたい。

がんばろ~!


本題ですが、年末年始にDS版イノセンスを再クリアしました!凄く!楽しかった!!

ずっと大好きなタイトルなんですが実際にプレイするのは最早数年ぶり…にも関わらず、めちゃくちゃ楽しかったし面白かったです。

正直自分でも思い出補正かかってるかなと思ってたけど全然そんなことなかった。


改めてプレイして思ったんですけど、イノセンスって本当にキャラクターが良い。味方はもちろん敵まで良い。

行動の根源がはっきりしてるキャラばかりですよね。マティウスなんか作中あまり語られていないながらに彼女が現世で世界に絶望していく過程が凄く想像できる。シアンに僅かながらに同情していたっていうのが彼女の最後の人間らしさって感じでとても好きです。あの絶望はまだたった15歳の少女が背負う感情にしては重過ぎるけれど、アスラの憎しみ後悔が切り離された結果だと思うと納得でもある…。


あと個人的に今になって印象が変わったのが最後のスパーダの「仕事だけは家の世話になる」という選択です。

中学生のころ初めてプレイした時、序盤あれだけ誇り高いことは誰かの世話にならないことと言っていたスパーダが最後結局家を頼るのが矛盾のように思えたんですけど、今見るとあの選択こそが彼の成長した証なのかなぁと。


スパーダの「実家の世話にならない」は確かに彼の誇りが大部分を占めていたけれど、やっぱり実家への反抗心も強くあったんじゃないかと思うんですね。

自分のことなんか見向きもしない父親とか、自分よりも実力がないのに口ばかり立派で、その癖嫉妬からやっかみだけはかけてくる兄弟とか。反抗心なんかあって当たり前だし、スパーダの性格からして許せないことはきっと絶対多かった。

だけどアンジュのキャラ性などからも見えるけど、生きてく上でそういうものを利用する強かさは確かに必要になる場面もあるし、決して一概に悪とも言えないという考えがイノセンスには描かれている。だからこそ、自分の将来を真剣に考えた結果仕事だけは実家の、比較的仲が良い兄弟のつてを頼るというスパーダの選択は彼が成長してそういうある種の強かさを身に着けたからかな~と。

それに実家を頼るというのはこれまで避けていた実家と関わりを持つ、向き合うことと同義で、そんな向き合う強さを得られたのって立派な成長じゃないかなって思うんです。

最初の足掛かりはなんだっていい。そこからどれだけ結果を出せるか。そういう風に考えられたのもきっと彼が自分だけの、自分なりの騎士道を旅の中で見つけられたからなんだなぁ~。

そう思うとやっぱりスパーダはかっこいいし、17歳の成長が最高だ…。

自分が歳を重ねて感じることがこんなに変わるんだなと感動したので本当にやり直して良かったです。スパーダ・ベルフォルマ愛。


イノセンスは良い具合に綺麗事だけでは生きていけないというテーマを表してくれてる気がします。

綺麗事だけでは生きていけないから強かさに生きる強さ、そういう世界であえて綺麗事を守る強さ、そういう色んな強さを肯定したうえで自分勝手に理不尽に周りを傷つけ攻撃することの愚かさは非難する。凄く好きな世界観です。

うまく言えないけど誰かの正義は誰かの悪みたいな感じも好き。

また推しの話だけど、スパーダはずっとデュランダルの最後まで人の道具として使われることを選んだ選択に納得がいっていなくてその気持ちはもの凄く共感が出来るんだけど、同時にデュランダルの選択も筋が通っていて間違ってない、っても思っちゃう。なんかそんな感じの、誰の感情も思考も行動も意味があって間違いなんかないんだけど、お互いに理解が出来ないから齟齬が生まれてしまうみたいなやついい。

アスラとイナンナもまさにそれですね。アスラの願いは分かるしきっとそれが正しいんだとも思う、だけどイナンナの地上人を受け入れられない感情、地上人に対する憎悪も分かる。普通、何の罪もない母親を殺されて死体すら天上界に戻してやれなかったなんて一生地上人憎み続けても足りないくらいでしょ…いくら愛する人の願いでもそりゃ受け入れられない…。

イノセンス、全体的に感情の絡み方が複雑で難しい。絡み方が複雑というか矛盾?二律背反な感情を同時に抱いているキャラが多い印象がある。

裏切ったリカルドへ怒りや不信を抱きながら、「それでもリカルドは詫びを入れて筋を通した、それならもう何も追及することはない」「オレは好きとか嫌いで人間関係を作ったりしない」って言うスパーダとか。前世と現世の区別ははっきりついているはずなのに、たったひとつの深い後悔から味方に剣を向けるしか無かったアンジュに、イナンナの女を使うやり方に嫌悪して自分は粗野に振舞うことを選びながらイナンナの気品や気高さにどうしようもなく憧れる気持ちもあるイリアとか。

一筋縄ではいかない感情が入り乱れている感じ…心って難しいな…。


いやしかし話は変わるけど改めてやるとルカの成長ほんと涙ぐましいですね。

最初の自己肯定感がどこまでもない感じ、なんとなく自分と通じるものがあって物凄い心が痛くなったりしましたがルカはそこからの立ち上がりがほんと凄い。

夢で見た自分の理想が自分の前世だと分かって喜ぶけれど、結局その理想も完璧ではなかったことを突き付けられ、前世によって人生をめちゃくちゃにされる人たちを目の前にして、前世なんて関係なく現世で「自分」を生きることの尊さに気付く。

ルカってあのPTの中だと間違いなく幸せな境遇だけど、自分を自分として認められていないからそのことに気づけないという不幸も持ち合わせていたと思うんです。だから最後の、「僕が変わって世界が変わった」がグッとくる。取り巻く世界そのものは変わっていない。けれど自分が変わって視界が広がったから、「僕の世界」は確実に変わった。

そういう成長の仕方っていいですよね。アスラの迷いや優しさが切り離された結果のルカだからこそともいえる優しく芯の通った成長が好きです。


そんな感じでこの一カ月ずっとイノセンスについて考えてました。いやほんと大好きだなイノセンス。人生で最も影響を与えたゲームと言ってもいいかもしれない。

12周年、改めておめでとうございます。これからもきっと一番好きなRPGです。